Skip to content →

「合同会社」について

2006年(平成18年)5月1日に施行された会社法が新たに設けた会社形態。
006年4月30日までは、商法の旧第二編が規定していた株式会社合名会社合資会社と、有限会社法が規定していた有限会社の4種類の会社形態があったが、新たな会社法は、旧来の株式会社および有限会社を統合した株式会社と、合名会社・合資会社および新設の合同会社を包含する持分会社という2種類の会社類型に整理した。
社員(=出資者)1名のみでも設立可能。

持分会社は、相互に人的信頼関係を有し日常的に会合できる少人数の者が出資して共同で事業を営むことを予定した会社類型であり、以下の特徴を持つ。
したがって、合名会社合資会社合同会社に共通する。

  • 会社の内部関係(社員相互間および会社・社員間の法律関係)の規律については原則として定款自治が認められ、その設計が自由である。株式会社の取締役・執行役のような機関は置かれず、原則として全社員が自ら会社の業務執行に当たる(590条第1項)。ただし、定款の定めによって業務を執行する社員を(さらにその中で会社を代表する社員を)限定することも可能である。
  • 原則として定款の作成・変更には全社員の一致を要する(575条、637条)。つまり、社員一人一人がこれらの事項について拒否権を有していることになる(株式会社の場合、非公開会社でも株主総会の特別決議で定款を変更できる)。
  • 社員の持分の譲渡、新たな社員の加入も他の社員全部の同意を必要とする(585条、604条第2項)(株式の譲渡は非公開会社でも株主総会の決議で足りる)。
  • 利益分配、議決権分配も、出資割合とは切り離して自由に認められる(非公開会社たる株式会社では、機関設計は自由だが、株主平等原則がある。旧有限会社とも異なる)。

以下の点は、合名会社合資会社とは異なる。

  • 社員は全て有限責任社員であり(576条第4項)、また社員は間接有限責任のみを負う(580条第2項。株式会社、旧有限会社)。
  • 各社員は出資義務を負い、信用や労務の出資は認められておらず、また設立の登記をする時までに全額払い込みを要する(578条。株式会社、旧有限会社)。
  • 社員になろうとする者は、原則として、定款の作成後、合同会社の設立の登記をする時までに、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない(578条)。
  • 持分の払戻しは請求できず、また、退社に際しての払戻しは規制される(632条。株式会社、旧有限会社)。
  • 持分の全部又は一部を譲り受けることができず、取得した場合には、消滅する(587条)。
  • 任意清算が認められない(668条1項。合名・合資会社と異なり無限責任社員がおらず、債権者保護手続きが必要となるため)。

以上、「持分会社としての特徴」に鑑みると、合同会社は、基本的には非公開の株式会社よりもさらに閉鎖性を有している。反面「合同会社として固有の特徴」をみると、株式会社の特徴をもふまえた会社形態だと言える。
会社法の趣旨として、一方で旧有限会社のうち閉鎖性の高いものを合同会社(持分会社)とし、他方で、閉鎖性の低いものを株式会社として整理をさせようとしていると思われる。

Published in 備忘録