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プロの賞金大会は減っていくものとして未来を考える

桑田佳祐さんを編集長に擬した「NumberPLUS」誌がボウリングマガジン増刊号のような趣になっている理由が、本誌に書かれている桑田さんのボウリング歴の中でのプロボウリングの存在の大きさを読んで納得しました。
私は桑田さんより2歳下ですが、私の中学卒業時の文集の中でも、将来の夢として「プロボウラーになる」と書いていた人が目立つほど居たことを思い出しました。
60歳前後の著名人・文化人を探せば、かつてプロボウリングファンだった人が結構いるかも知れません。
そういう人を探し出すことも、プロボウリングのマーケティングとして有効かも知れませんね。
社会に影響力のある立場の人に、プロボウリングについてポジティブに発言してもらうような仕掛けをしていかないと、賞金スポンサーはどんどん減っていくでしょう。
プロボウリングの人気の恩恵を一番受けるのはボウリング場とボウリング用品業者であり、ボウリングブームの頃でも賞金原資の大半を担っていたのはそういうボウリング業界でした。
しかし、業界として成熟する前にバブルのようなボウリングブームを経験し一気に肥大化してしまったボウリング産業は、プロボウリングに対して投資者ではなくパトロンに終始してしまった結果、プロボウリングは自らの経済価値を正しく把握できずにきてしまいました。
パトロンとしてのボウリング産業が費用対効果以上の賞金スポンサーであったツケが、パトロンの凋落によってプロボウリングを苦しめています。
プロ協会もスポンサー探しに努力していると思いますが、プロボウリングの広告媒体としての価値は相対的に低く、ボウリング産業以外から資金を得ることに苦労されていると思います。
今年のジャパンオープンは史上最大の参加者を得て盛り上がり、数々のドラマと感動を残して無事閉幕しました。
このジャパンオープンですらも、大会実行委員長をはじめとする一部の関係者の相当な熱意によって維持されているのが実情ですので、遠い将来もずっとあるとは言えません。
プロボウリングの賞金スポンサー確保は年々難しくなり、大会は減っていくでしょう。
また、スポンサーを得るためにはスポンサーの意向を受け入れなければなりませんから、大会の性質も変わっていくかも知れません。
ボウリング産業が永らえるには「ホビー産業」としての収益力の確立が必要であると繰り返し書いてきましたが、ホビーとして培ったボウリング技術で生計を立てられる道筋の確立も、「ホビー産業」には不可欠だと考えます。
その意味で、既に存在するプロライセンスというものを活かすことを考える必要があるでしょう。
「競技会順位で賞金を得る」という単純な位置づけは、既に現実的ではありません。
チャレンジマッチ・ボウリング教室・プロショップの業績というものが、音楽業界で例えるならCDセールスやライブの集客数という直接的な収入源と捉え、数少なくなっていく賞金大会は紅白歌合戦やレコード大賞、各種音楽祭のような、セールスを飛躍的に伸ばすための格付けのために存在する、という感覚が必要でしょう。
音楽産業がアーティストだけではなく作詞や作曲・編曲、舞台美術などに対しても表彰制度があるように、ボウリングもドリルやコーチ、ボウリング場のメカニックや用品の輸入業者などを顕彰しアピールする仕組みを持つことが、ボウリングに関わる技術者の地位を向上させ、「ホビー産業」としてのマーケット拡大に寄与するのではないかと考えています。

Published in ボウリング業界 妄想(笑)