Skip to content →

コンビニ会計

世の中には「コンビニ会計」と呼ばれるものがあります。
実態は運営会社によっても違うでしょうし、コンビニオーナー(以下オーナー)がフランチャイズ契約する時の条件によっても差異はあるでしょうが、大概はコンビニ運営会社(以下本部)が儲かり、オーナーが利益を損なうようになっているようです。

単純に模式化(消費税別)してみますと、たとえば1個100円で売るおにぎりを仕入原価65円で10個仕入れて、賞味期限内に7個売れたとしましょう。
仕入れは通常、まず棚卸資産に計上し、実際に売れた分だけ棚卸資産から仕入原価に移りますから、簡単に書くとこんな具合でしょうか。

売上           700円
未払金(仕入請求額)  ▲650円
棚卸資産増        195円
——————————————-
収益           245円

現金50円(粗利益)と原価195円分の資産が残った黒字会計となります。
コンビニ本部の取り分が60%だとしますと、収益245円から本部に147円を上納しなければなりません。
実際にオーナーの手元に残った現金は50円ですから、オーナーは97円支払って195円分の資産(実は賞味期限切れの生ごみ)を買った形となります(涙)。

これじゃ商売になりませんから、スーパーのように、廃棄処分にするぐらいなら値下げしてでも全部売りたいと思うのが人情です。
しかし、本部は脅しめいたことも含め、あれやこれやと値下げ販売を妨げているらしいです。
中には、廃棄処分損失の何割かを補填するところもあるみたいですが、実売収益に加えて棚卸資産(実は不良在庫)をフランチャイズ契約者に買わせて儲ける商売ですから、彼らが損するような仕組みは出してこないでしょう。
だからコンビニは、なんとか売れ残らないように仕入数量を抑えるわけです。
納品直後で未検品のため、弁当やおにぎりが床にコンテナ積みされていて陳列棚には僅かしか並んでいないことがありますが、仕入れたら売り切りたいというコンビニの切実な立場も考えると、責める気持ちにはなりません。

この例でもわかるように、事業体は棚卸資産や不動産が増えると会計上では黒字になる場合があります。
だから儲かっているとジャッジされて法人税が課せられ、しかし納税のための現金が不足しているので銀行借入が発生したりします。
また、手形商売の場合には、売掛金の回収が支払いに間に合わなくて換金期限前の手形(債権)を金融機関に持ち込み、額面以下の金額で買い取ってもらったりします。(手形を割るってやつですね)

そこでボウリング場ですが、食品ほどには寿命が短くなくても、ボウリング用品などは長期在庫で商品力が低下し、安くしないと売れなくなったりします。
だから、大量に仕入れて現金を在庫に変えてしまうようなオペレーションをしていると、会計上では黒字でも、棚卸資産の実質的な価値が目減りし換金価値を損なってキャッシュ・フロー的にはよろしくありません。

また、用品契約という紐付きプロボウラーの場合、契約先業者からの押し付けで必要以上に仕入れてしまうリスクもあります。
私の部下のプロボウラーに、そういう押し付け販売を跳ね除け、自分の用品契約先の営業を出入り禁止にした猛者がいましたが、そういうプロボウラーは「どこから給料を貰っているのか」という現実に目が開いていますので、雇っている会社にとっては「人材」です。

そもそも、用品契約によって一定の業者が扱う用品しか使えないプロボウラーは、プロショップで扱う商品すべてを競技者として使ってみて消費者に伝えるモニターとしては偏った存在です。
通常はプロボウラーをそんなに何人も雇えませんから、プロショップ担当のプロボウラーは用品契約をしない人のほうが、理想的ではないでしょうか。

プロショップオペレーターにとって最も大切なことは競技力ではなく、消費者のボウリング技量や固有の癖・体質・体力を分析し、その人に合った用品をお薦めするとともに、ボールのドリルや実技的なアドバイスが出来る研究を怠らないことです。

型にはめるのではなく、消費者にのびのびと自由にボウリングをさせつつ、上達に導くのでなければいけません。
ボウリング場は競技団体ではなくサービス産業なのですから、消費者のボウリング技量向上よりも、消費者がボウリングを楽しむことを優先し、間違ってもボウリングが嫌いになったりしないようにしなければなりません。
誤解を恐れず極論するならば、ボウリング技量の向上よりもボウリング好きを増やすことのほうが、プロショップの使命なのです。
だから業界には、プロボウラーよりも優れたアマチュアボウラーのプロショップオペレーターが、たくさん存在しているのではないかと思います。
そういう人を、もっと育てて採用したい。
なにか、良い方法があれば、ご教示ください。

Published in ボウリング業界 妄想(笑)