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WEBのカリスマ

筆者は十数年前、小学館のDIMEという雑誌の「WEBのカリスマ1000人」という企画に選ばれたことがあります。
ぼちぼちとインターネットが普及し始めた頃で、筆者は携帯電話は持っていなかったのに、WEBサイトは持っていました。
たぶん当時でも、WEBサイトを持っている人よりは携帯電話を持っている人のほうが多かったでしょう。
そんな頃の話なんですが、当時はWEBサイトに掲載する画像フォーマットとしてはGIFが主流でした。
もちろんJPEGも使いましたが、今よりも通信回線の速度が格段に遅い時代でしたので、256色限定の軽いGIFフォーマットはとても使い勝手の良い規格だったのです。
GIFがよく使われた理由には、アニメーションが出来る、というものがありました。
パラパラアニメみたいなものですが、WEBサイトの見栄えを良くするためには、欠かせないものでした。
ところが、米国のユニシスという会社が突如としてGIFフォーマットに自社の特許が使われていると言い出し、特許権使用料を求め始めたのです。
ユニシス社は先進国のほとんどで特許を取得していましたので、マイクロソフトをはじめ、世界中のメジャーな企業は特許権使用契約を結びましたが、いっぽうで我々のような個人ユーザーは、泣く泣くGIFを使うことを諦めました。
当時の画像を扱うフリーソフトのほとんども、GIFを対象外にしていきました。
そして、GIFに代わるフリーな画像フォーマットとしてPNGとMNG(アニメーションPNG)の国際的な普及活動に筆者も参加し、時間はかかりましたがPNGについてはインターネットエクスプローラなどの有名ブラウザが次々と対応していき、WEBサイトで使えるものとなっていきました。
残念ながらMNGは規格が煩雑で使い勝手が悪かったため、今でも対応しているブラウザはありません。
そして、GIFのサブマリン特許も時効を迎え、再び自由に使えるものとなっています。
このように、特許権を持っていても普及するまでは公表せずに自由に使わせ、十分に普及してから特許権侵害で提訴したり特許使用料を求めるものを「サブマリン特許」と言いますが、知的財産の所有権をビジネスすることは法律的に許される事であり、むしろ法律をビジネスに役立てたスタイルと言っていいでしょう。
似たようなものに版権ビジネスというものがあります。
著作権などの知的財産に関する権利侵害をネタに裁判を起こしたり、権利の売買に介在して手数料をいただくビジネスです。
我々ボウリング業界は知的財産の権利についての知見や意識が乏しく、アニメや漫画のキャラクターを著作権所有者に無断で使っているポスターなどが横行しています。
ゲームマシンの景品使用に限定許可されている著作権使用権限を越えて、ボウリング大会の景品にしたり、キャラクターを参加者募集ポスターに使っていたりします。
もしも悪徳弁護士がボウリング場の著作権侵害を見つけたら、多額の損害賠償請求可能案件として出版社や映画会社に持ち込み、手数料稼ぎをするかも知れません。
まあ、今までは館内ポスターぐらいでしたから目立ちませんでしたが、インターネットを使って世界中に晒している時代となっていますから、くれぐれも気を付けたほうがいいでしょう。
耐震工事費用が出せなくて閉鎖するボウリング場に加え、著作権侵害の損害賠償が払えなくて閉鎖するボウリング場が出てきたら、洒落になりません。 

Published in 思い出話